東海理化 半導体ソリューション

Semiconductor Fab: Front-end Process

自社半導体工場:前工程

長期安定供給を支える一貫生産体制

東海理化は、愛知県丹羽郡大口町の本社敷地内に半導体工場を保有しています。1989年から生産を継続し、自社自動車部品に組み込む形で累計5.3億個(2025年3月時点)の生産実績があります。工場ではウェハを製造する前工程、ウェハから切り出されたチップを保護するための後工程まで、製造・検査・品質管理を一貫して行う生産体制を備えています。

自社半導体工場を保有しているからこそ、車載部品に求められる長期安定供給に対応することが可能です。一般的な半導体サプライヤーでは、10年を超える長期供給の過程で生産数量が減少し、生産単位である1ロットを下回るとEOL(生産終了)となることがあります。一方、東海理化では自社使用の半導体部品を長期流動させた実績があり、ウェハ単位での生産にも柔軟に対応可能です。

長期安定供給にご関心のあるお客さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

主力製品と適用事例

東海理化の主力製品は磁気センサで、ハンドルの舵角検出やブレーキペダルの踏み込み検出、シートベルト用センサなど、幅広い車載用途に使用されています。また、通信ICやドライバICへの組み込み実績もあり、車載分野で多様なニーズに対応可能です。

ハンドルの舵角検出センサ

シートベルト用センサ

東海理化の保有プロセスはアナログを指向したもので、1.2μmのBiCDMOSと1.0μmのCMOSを採用し、ウェハ口径は6インチです。これらのプロセスで製造されたICは、ステアリングアングルセンサ用の磁気センサICとして高精度なセンシングを実現しているほか、シフトレバーのLED点灯用のカスタムICなどに応用され、IC化による小型化にも貢献しています。

さらに、ミックスドシグナルICの需要に応えるため、0.35μmのBiCDMOSプロセスの開発も進めています。車載用途に求められる高耐圧仕様と高信頼性を備えつつ、柔軟な技術提案が可能な体制を整えています。

1.2μm BiCDMOS
基板 EPI/P型Si(100)
メタル層数 ALSiCu 2層
マスク枚数 31枚
絶縁構造 LOCOS+PN接合
DS耐圧 7V / 42V
GS耐圧 7V
容量 PIP
メモリ
1.0μm CMOS
基板 P型Si(100)
メタル層数 ALSiCu 2層
マスク枚数 24枚
絶縁構造 LOCOS
DS耐圧 5.75V / 42V
GS耐圧 5.75V
容量 MOS
メモリ
0.35μm BiCDMOS(5V)※開発中
基板 P型Si(100)
メタル層数 ALSiCu 4層
マスク枚数 31枚
絶縁構造 LOCOS
DS耐圧 5.5V / 33V
GS耐圧 5.5V
容量 PIP、MOS
メモリ フラッシュ

東海理化の磁気センサ素子は AMR(Anisotropic Magneto Resistance) を採用しています。このAMR素子を生産できるプロセスを自社で保有し、パッケージ・品質保証の実績も積み重ねてきました。カスタム磁気センサのご要望にも柔軟に対応しますので、ぜひ一度ご相談ください。

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